共生の未来へ 1807

  前月号で、自律神経の乱れが白血球の免疫力を低下させ、その乱れが生命力の低下に繋がることを説明しました。

 その解決策として、自分の考えにこだわらないで、相手の考えに合わせていくという幅のある考えが病気にならない方法と説明し、佐々木正美先生の意見を紹介しました。

 今月号は社会が複雑になり、多様化し、あらゆる分野に差異が目につく世の中になってきていますが、こんな複雑な世の中でいかにして皆が喜んで、共生のできる社会、地域を創造するかを考えてみたい。

 日本の社会はますます多様化していることはわかると思います。

 自分では理解できない他国の言葉を話している中で、孤独感を感じる。

 目の前の人の容姿、立ち振る舞いが自分とは随分違っているときに感じた孤立感。

 自分が障害者である場合は、自己への劣等感と他者の障害者に対する態度・言動に悩むのではないでしょうか?

 さらに、自分が所属するコミュニティで、その場の雰囲気を読み取れない仲間の何気ない会話が、自分にとって耐えがたいストレスを与えている場合もあります。 

 自分の考えと全く違う考えと行動に戸惑いを感じることもあると思います。

 これらの状況でどのように立ち振る舞うかは切実な課題といえましょう。つまり何らかな差異を感じたときにどのようにして乗り越えるかは大事な案件といえます。

 特に現在はインターネット、人工知能の普及によって、自己の考えを実現するツールはたくさんできてきていますが、多様な価値観、文化習慣等の差異を学ぶツールは少ないと思います。

 これらの課題の解決策は

第一に、「心の拡がり、ふところの広さを持ち合わせること」が重要ではないでしょうか。

 つまり、心が自由でこだわりがない人はあらゆる差異を乗り越えて、多くの人々と「共生」できるのです。

 そのために、幅広く、人類が継承してきた考え方と人生ドラマの読書をして、幅の広い疑似体験を持つことが大事なのです。

 つまり、読書は多種多様な価値観を理解するために、必須の条件といえます。

 第二に、「豊かな感性」を持つことが大事ではないでしょうか。つまり、他者への想いやり、慈しみ等のきわめて人間力ともいえる精神を持つことです。

 現在は国レベルで、身体的な不自由な人、精神的な障害をもつ人に対し、それを保証する制度は完備していますが、人間と人間の暖かい交流を構築するためには、豊かな感性が必要です。

 つまり、佐々木正美先生が提案した、「人間は、ひとりで喜ぶことはありません。喜びは、人との関係の中で生まれる感情です。

人といっしょに喜びあう経験をたくさんすると、人の悲しみも感じることができる、人のことを思いやれる子どもになります。」の名言から、他者に考えを変更させるのではなく、自己が相手の考えに併わせ、共有する気持ちの広さを持つことが、「共生の未来」を構築する根本ではないでしょうか?。

 そのような「ふところの広い」社会を先生は「高度な文明社会」と表現されています。

 時代が進めば進むほど、すべての人々が、「共に生きよう」とする強い意志がそのカギを握っているのではないでしょうか。