私どもの全家研初代総裁の平澤興先生は医学者であり、専門は脳神経解剖学です。京都大学教授をへて京都大学第16代総長に就任して教育者としても知られています。
先生の格言の一つに「勉強は良い習慣づくり」とあります。
今回はこの先生の提言された「習慣づくり」を解説したい。
人は自分の意志によって他から強要されることなく自由に生きていると思っていますが、実はそうではなく個々人の持っている行動習慣に縛られて生きているのではないでしょうか。
先生は「その人全体からにじみ出る味わいでその人物がわかる。」とされていますが、この「にじみ出る味わい」も習慣が基となっています。
さらに「今が楽しい。今がありがたい。今が喜びである。それが習慣となり天性となるような生き方こそ最高です。」と指導されています。
つまり、今が楽しいと感じる事は感性の問題といえますが、どのような喜びを感じるかは実はその人の習慣が基となっていると言っていいでしょう。
また、先生は「成長するためには、苦難が喜びであると思うようになることである。」とされています。
つまり、常に学んでいる方はその分野においては初心者であるかもしれませんが、一生懸命前向きに学んでいるからこそ楽しいのであり、喜びがあるのではないでしょうか。
「本当に偉大だなと思う人にはみな平凡さがある。平凡を鍛えあげて偉大にしている。」といわれていますが、この事も他から学んでいる良い習慣が前提になっているのではないでしょうか。
先生は「このように思えるかどうかは良い習慣を身につけているかどうかです。人生に望ましいのは失敗や困難がないということではなく、決してそれに敗けないということである。」と言われています。この考え方も学び続けた方だけが体得できることであり、偉大な考え方といえます。
さらに先生は言われています。
「本当の大物はよい意味で足らぬところがある。それがまた魅力であり風格である。人物が出来れば出来る程、大賢は愚に似たりである。」とされ、学び続ける人物には愚に似たところがあるが、実はその姿勢が漸進的(段階的)な生き方をしている証拠なのであります。
つまり「勉強は良い習慣づくり」の進行形が大賢の風格を持つといえましょう。
結論:
その人の人生を形成する根っこは習慣である。との卓見は勉強になります。
先生は「常に学んでいる人はなにか完成されていないところがあるものです。」とも言われていますが、一生涯、命のつきるまで前向きな生き方の習慣づくりが評価されます。
つまり、21世紀を生きる子ども達に「勉強は良い習慣づくり」の生き方を助言することは、「自発能動的学習態度」を推進することに繋がり、最も大切なことといえます。
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