みんなちがってみんないい。 金子みすゞの詩から彼女の感性と考え方を書きました。

 日本の童謡詩人金子みすゞは、大正末期から昭和初期にかけて、26歳で死去するまでに500余編もの詩を綴ったとされています。彼女の人間の心情についての表現は、誠にたくみであり、その詩から拡がる彼女のやさしさ、思いやりの深さを表現する才能は卓越したものがあります。 そこで、今回は日本の社会が、遭遇しつつある、グローバル化にともなう多様な考え方に対し、その対処方法を考えてみたい。

 金子みすゞの”共生の感覚”は、彼女の体験と、文字を媒体として、想像力が働き、育成されているものであり、その心情が共感を拡げているのであります。

 一方、世の中が多様化してきている現状は、私たちの社会に「排除」と「分断」が拡がる可能性をはらんでいます。

 人間は心の中で、人を憎む心、争う心、嫉妬する心、妬む心、どん欲に他者のものを奪う心がありますが、他方、人を愛する心、慈しむ心、尊敬する心も当然もっています。

 したがって、私たちは内在する心の中にある、「みんなちがってみんないい」の心情で接していくことが肝要なのです。

 そして、南アフリカの元大統領で人権闘争の闘士であるマンデラ氏も27年間の長きにわたって投獄されていたことで有名ですが、解放され、勝利宣言の中で、高らかに宣言されました。

 「あらゆる人間の心の奥底には慈悲と寛容がある。肌の色や育ちや信仰のちがう他人を、憎むように生まれついた人間などいない。人は成長課程のなかで憎むことを学ぶのだ。そして、憎むことが学べるのなら、愛することだって学べるだろう」といわれています。

 つまり、人間は生きる課程の中で「排除」と「分断」を学ぶのです。

 そうであるならば、人を助け(利する)、温かさを持って接することも当然出来るのです。

 この感覚が、「 みんなちがってみんないい」と表現したみすゞの感覚であり、多様化し、グローバル化がすすむ中での一つの示唆ではないでしょうか。

 つまり、利己(自己中心)から利他(他を利する)への心の拡大が出来るかにかかっているのではないでしょうか。

 「排除」と「分断」は人間を孤立させます。

 それに対し、「利己から利他」への心の拡がりは人間と人間の対話を通し、相互理解ができ、他者を尊敬する心、讃えることが可能なのであります。

 今、日本では外国人労働者の拡大をめぐって議論が活発になっています。

 又、アメリカではメキシコからの不法移民の流入を阻止するため、米国南部のメキシコ国境に築くトランプ大統領の公約、「万里の長城」が築かれようとしています。

 このような自国中心の政策を実行することは、将来を支える子どもたちの心の中に「分断と排除」の考えを植え付けることになります。

 他方、好むと好まざるとに関わらず、異民族との交流は時代の進展の中で避けて通れないのです。

 したがってこの分断と排除の考えを解消しなければなりません。

 その考え方は「利他」にあると、思っています。

 つまり、他者を利益する行動を通して、人は相互理解が進み、想いやり、共生することも出来るのではないでしょうか。

 ともかく、子どもたちの心の中にこの「利他」する運動を拡げていかなければなりません。

 さらに、日本は科学の発達で便利快適社会になってきていますが、この社会構造が、人々の埋没を生み、人間不在の社会が拡がる可能性をはらんでいます。

 したがって、これからの人々の考え方は、”あなたのため”であり、他者を尊重し、認め、理解して一緒に生きていこうとする考え方ではないでしょうか。

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