楽しい勉強法

勉強は良い習慣づくり 
 コロナ禍から日本の社会が大きく変わりつつあります。 インターネットの普及からデジタル社会に突き進んでいます。
 藤井聡太君が将棋八冠を達成しましたが、彼の達成の原動力は何だったのかを考えていき、科学技術の発達した世の中を生きる方途を考えてみたい。
 八冠達成の原動力は何だったのかを考えると、原動力は「将棋が好き」「絶対負けたくない」との負けじ魂だったように思います。
 彼について、AIを使って将棋を高度に身につけたという意見があります。
 確かに、彼がAIを使って将棋の技術を高めたことはゆがめない事実です。
 しかし、AIで将棋を練習している方は大勢います。
 その中でも強くなる方、ならない方がいますが、これはどうしてでしょう。
 それは彼が将棋が好きだったこと。対戦する以上は絶対負けたくない。との心が強かったことが八冠達成の原動力かと言えます。
 この心の強さを、私どもの全家研初代総裁の平澤興先生の教えである「勉強は良い習慣づくり」から学んでいくと、「将棋が好き」「人には負けたくない」との一念は、「良い習慣」という継続した「気」から形成されるものです。
 今回は、「勉強は良い習慣づくり」と言われる平澤先生の考えを土台にして、勉強を好きになるコツについて考えたい。
 人は自分の意志によって他から強要されることなく自由に生きていると思っていますが、実はそうではなく個々人の持っている行動習慣に縛られて生きているのです。
 医学博士として長年大脳の研究をされてきた先生は、その人の行動習慣が、いかにその人の人生までも決定づけてしまうことを訓示されています。
 先生は、「その人全体からにじみ出る味わいでその人物がわかる。」とされていますが、この「にじみ出る味わい」も習慣であり、その人の生命といっても過言ではありません。
 その上で、「勉強は楽しい。もっと勉強したい。勉強は喜びである。」とする精神的な原動力はアカデミックな左脳領域ではなく、右脳領域に存在していて、この領域が広がってきて、その人の天性として輝いてくるのです。

 つまり、学ぶことは、けっして楽なことではないが、学ぶことが習慣(その人のクセ)になっていると、その人にとって、習慣は苦痛でなく、平常心の中に、むしろああ楽しいな」と、喜びが拡がってくるのです。
 平澤先生は、「本当に偉大だなと思う人にはみな平凡さがある。平凡を鍛えあげて偉大にしている。」と言われていますが、それはまさに良い習慣がにじみ出てきているのです。
 世界的名著と言われる、赤毛のアンを書いたモンゴメリは自叙伝『険しい道』の最終章に、こう記した。
 「長い長い労苦と努力の末、わたしはついに『険しい道』を登りつめたのです。それはたやすい登攀ではありませんでした。しかし一番苦しい闘いの最中といえども、高峰を踏破しようとする者にだけ体験できるよろこびと痛快な瞬間があるのです。」と語っています。
 『赤毛のアン』シリーズをはじめとする名作の数々は、世代や時代を超えて、世界中の人々の心に希望の灯をともし続けるのです。
 つまり、「勉強は良い習慣づくり」の進行形が大賢の風格を持つといえましょう。
 ともあれ、充実した人生の条件は、一生涯、命のつきるまで前向きに学び続けることではないでしょうか。
 その前進的な習慣づくり、生き方を創り上げる時期は幼児・小学校期がベストであり、この時期に「勉強の良い習慣づくり」を大切なお子さまにつけて頂きたいと願っています。