本の読み聞かせについては、幼児教育と発達心理の基礎においても
、最も大事な要素だと言われています。
さらに、最近の脳科学の研究で“3歳までの本の読み聞かせ”がその後の子どもの一生を左右するという結果も出ています。
アメリカの小児科学会では、本の読み聞かせを積極的に進める方針を固めたという記事も、『The New York Times』に紹介されていて、その魅力について説明したいと思います。
アメリカのお医者さんたちは妊娠し病院を訪れた母親には、子どもが生まれた時から“本の読み聞かせ”をするように勧めているそうです。
本の読み聞かせを勧めるなんて日本では、考えられないことですが、実は、“本の読み聞かせ”に関する調査研究では、3歳までに読み聞かせをしてもらっていた子は、学校での成績が良く、良い条件で就職できるため収入も多い傾向があることや、さらに就職した後も、昇給や昇進において成功している傾向がみられたというのです。
そのため、アメリカでは一部の教育熱心な親は、詩やモーツアルトを子どもに聞かせているようですが、より多くの母親が読み聞かせをすれば、優秀な人材が増え、それはひいては国家の繁栄につながるという考えが定着しています。
このように、アメリカが国をあげて取り組むほど効果があるとされる“本の読み聞かせ”ですので、私達日本でも子どもに読み聞かせをしたいものです。
その効果と魅力について説明します。
第1に語彙(ボキャブラリー)が増えてきます。
童話、書籍本表現や言葉に触れることができますから、語彙(ボキャブラリー)は飛躍的に増えてきて、その結果、小学校入学時の語彙が多い子どもが6年まで、また、中学、高校、大学までの成績がよいことが証明されています。
第2に考える力が育ってきます。
物語りの時系列での想像力が養われるので、原因・結果の話のストーリーが理解できるようになりますから、おのずと考える力も育ってきます。
第3に言葉に対する理解力が高まってきます。
いろいろな場面で発せられる言葉から、その背景と本質を理解する力が育成されますので、物事の背景を把握する能力が養なわれます。
第4に想像力や創造力が育まれます。
もともと人間の中に内在してはいますが、読み聞かせから、話の展開を自分なりに想像したり、創造したりする能力も目を覚まして顕現してきます。
第5に言葉に対する理解力の高まりと同時平行して、自己の気持ち、感情を表現する力も豊かになってきます。
第6にコミュニケーション能力も豊かになってきます。
つまり自己の想いと感情を表現する能力が豊かになっていますので、相手に自分の伝えたいことを正しく伝えられるようになります。また、相手の言っている真意を正しく理解する能力も持ち合わせてきますので、人間社会の中で、最も大事なコミュニケーション能力が飛躍的に向上します。
このように読み聞かせの実践は実利的効果が顕著に表れてくるのです。
次に私たちの心構えとして生まれてから3年間が勝負だと言うことを銘記してください。
赤ちゃんが誕生した後、赤ちゃんは母親の母乳を吸って、日々大きくなります。さらに、酸素を吸収して生命活動を活性化していきます。その生命活動は”からだ”を成長させ、一人前の人間していく活動ですが、それと同時に”こころ”と”あたま”を育成する大切な関わりが、”読み聞かせ”です。
(前に説明した、親の関わりも大事です。)
人間が人間らしく、細やかな感性と人に対しての思いやりは「読み聞かせ」が栄養源になります。
3歳までにこの読み聞かせの栄養源を与えられた子は脳がその分だけ、刺激され発達してきます。
”鉄は熱いうちに打て”と言われますが、長い人生を輝かしくするかどうかは、生まれてから3年間に決まると言っても過言ではありません。
この記事を、3歳過ぎてから読んだ方はどうあるべきかについて説明します。
子どもがもう3歳を過ぎているママ、「もう手遅れ」と諦めないでくださいね。“思い立ったが吉日”と言います。子どもが4歳でも5歳でもぜひスタートしてください。
人生はどんなに年をとっても、”前向き”の進取の気概が大事であります。
最後にこれからの国際化のグローバル時代に合わせ、バイリンガル(2言語を自由に使いこなすこと)になる方法として、英語の本の読み聞かせも勧めます。
例えば午前中は英語の本、夜は日本語の本を読み聞かせるなど、ぜひ英語の本も読み聞かせを行ってください。
混乱することはありません。前に解説しましたが、1歳~3歳の神経細胞のネットワーク(シナプス)は過剰に作られていて、どのような才能も開花する準備ができています。